2009年 02月 26日
僕が人形に興味を持ち始めた頃、 NHKテレビで夕方放映されていたのが、「新八犬伝」です。 NHK連続人形劇シリーズの5作目にあたるそうです、 子供の頃リアルタイムで観ていたのが「チロリン村とくるみの木」 「ひょっこりひょうたん島」などでした。なつかし~ 「新八犬伝」は滝沢馬琴の 「南総里見八犬伝」をベースに脚色されたもので、 放映されたのが1973年4月2日~1975年3月28日月曜~金曜日18:30~18:45 の間で、かなりの高視聴率で人気番組だったようです。 辻村寿三郎先生の名前を知ったのがこのNHKの人形劇です。 登場する人形達がそれまでの子供向け人形劇の人形達とは真逆でリアルで色気があって、 退廃的な匂いさえ感じさせました、歌舞伎調のメイクや凝った着物、 大人の審美眼にも絶えうる人形だったと思います。 話の展開もさることながら、「ナンジャこの人形達は」って驚きがありました。 玉梓が怨霊のおぞましさと迫力、犬山道節のゆがんだ顔と褌で筋骨たくましい肉体、 辻村寿三郎先生の美意識が遺憾なく発揮されていたのでしょう。 その後、辻村ジュサブロー個展があることを知り当然足を運びました。 そこに展示されていた人形は人形劇の人形とは違った、 より洗練された繊細で迫力のある人形達でした、 一気に辻村ジュサブローの世界に魅了されてしまいました。 写真は「辻村ジュサブロー人形作品集」文化出版局刊、に掲載された「赤い蝋燭と人魚」。 その他にも作品集など多数の出版物があるのですが、絶版になっているのが残念です。 辻村寿三郎先生は人形の制作量も凄いですが、演劇、着物のデザイン、パフォーマンス など人形というジャンルを超えた仕事をされている、現在も活躍中の人形界の巨人です。
by pygmaliondoll
| 2009-02-26 16:56
| 人形回想録
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