2011年 05月 06日
教室には二体の日本人形が展示してあります。 僕が20代初めに人形の勉強のために資料として購入した人形です。 いわゆる市松人形といわれる人形、 男の子は明治初期、女の子は昭和14年頃の製造、 内部の構造を見るために一度解体したことがありました。 その時、女の子の人形は胴体の詰め物として当時の新聞が入っていて、製作時代が解りました。 どちらの人形にもお腹には和紙と板、竹で出来た鞴(フイゴ)が入っていて、 お腹を押すとそのフイゴに取り付けられた笛が(竹のリードの震えで)鳴く仕組みになっていました。 市松人形は人形職人さんが分業で作っていた人形ですが、 写真はその人形の原型、木を彫刻して作られています。 やはり原型があるのです、貴重なものですね! この原型を使って硫黄や樹脂で凹型が作られていて、 その凹型に桐粉に糊を混ぜた生地を詰めて生地抜きをして量産されました。 この作業は生地師さんの仕事、 その後、その生地に胡粉(貝の粉末を膠で練って溶いた塗料)を塗り重ね、彫刻して仕上げるのが頭師の仕事です。 男の子の人形はさらに古い人形で紙を貼り重ねて作られた、張り子技法の人形です。 で、なんでこんな話になったか、 今日の教室でホッシーさん が木の粘土に興味を持って使ってみたい、っていうことからなのですが・・・ 桐粉というのはまさに桐の木の粉末ですが荒粉、中粉、面粉など、粉末の細かさで使い分けもされます。 この桐粉に麩のリや粉末のリを混ぜて粘土状態にして使います。 この「木のネンド」は細かな木の粉末に粉末糊が混ざった状態で、 水を混ぜて練ると粘土として使えます。 なめらかさを出すために石塑粘土と混ぜて使います、 乾燥すると軽くて強度は上がりますが、収縮が大きいので乾燥時にクラックが出やすいのが欠点、 粘土はそれぞれに一長一短ありますので、使い込んで、その長所を引だしてください。 木のネンドに初挑戦、ホッシーさんのトルソ(下地段階)
by pygmaliondoll
| 2011-05-06 17:13
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